導入事例

三井不動産レジデンシャルサービス株式会社
不動産車庫証明に必要な書類申請の手続きを「kintone」を活用しWeb化
顧客サービスの向上と業務の効率化を実現

マンションの管理を手がける三井不動産レジデンシャルサービス。同社は、マンションの駐車場契約者が車庫証明を取得する際に必要な保管場所使用承諾証明書の申請手続きを、業務アプリ開発プラットフォーム「kintone」を用いてWeb化。これまで複数に分かれていた申請ルートを一本化し、顧客サービスの向上と業務の効率化を実現した。

三井不動産レジデンシャルサービス株式会社
導入効果 1
書類申請の流れが一本化されリードタイムが1日近く短縮
導入効果 2
マンション管理担当者や営業担当者の工数が大幅に軽減
導入効果 3
社内の申請取次者への対応がなくなりダイレクトに顧客対応になったため処理時間の前倒しが実現
三井不動産レジデンシャルサービス株式会社 様

三井不動産レジデンシャルサービス株式会社
事務センター 事務サポート課 課長
兼 事務センター保険課 課長
堀内 聡 氏

三井不動産レジデンシャルサービス株式会社 様

三井不動産レジデンシャルサービス株式会社
事務センター 事務サポート課
シニアスタッフ
豊田 貴和 氏

車庫証明の取得に必要な書類の申請ルートが複数存在し、業務が煩雑化

 三井不動産レジデンシャルサービスは、三井不動産グループの一員として、同グループの三井不動産レジデンシャルが開発したマンションを中心に、主に関東圏の高級マンション、タワーマンション、大規模マンションなどを含む約21万戸の管理を手がけている。

 同社の数ある管理業務の中で、効率化の期待が大きかったのが、保管場所使用承諾証明書の申請手続きだ。保管場所使用承諾証明書とは、駐車場契約者が警察署に車庫証明の取得を申請する際に必要な書類のひとつ。一般的な手順では、駐車場契約者が規定の書式に則って書類に必要事項を記入し、マンション所有者や管理委託会社から承諾(サイン)をもらう。

 同社では、駐車場契約者やマンション所有者に向けて、保管場所使用承諾証明書の発行手続きの代行サービスを提供しているが、これまで複数の申請ルートが存在していた。具体的には、①駐車場契約者から依頼を受けたマンションの管理人が、社内システムを使って申請する②駐車場契約者が同社のコールセンターに電話で依頼し、コールセンターからメールで事務センターに申請する③駐車場契約者から依頼を受けた同社の支店担当者が、また別の社内システムを使って申請する④駐車場契約者から依頼を受けたマンションの管理人が、申請書を直接FAXで送信する、の4つだ。

 申請はすべて同社の事務センターでまとめていたが、複数の申請ルートがあると、業務効率は必然的に低下し、ミスが発生する確率も高くなる。また、依頼の数は年間約1万件に上り、特に週明けの月曜が普段の倍以上、自動車ディーラーの決算月も件数が多くなる傾向があったが、こうした繁忙期には担当者も作業に忙殺されてしまい、他業務に影響を及ぼしていた。

 そこで同社は抜本的な解決策として、上記4つのルートを廃止し、駐車場契約者からWeb経由でダイレクトに受け付ける方式へ一本化することを決断した。そのねらいについて事務センター事務サポート課 課長の堀内聡氏は「Webで受け付けることができれば、駐車場契約者は決められた時間帯にわざわざ管理人室に出向いたり、営業支店に電話をかけたりする必要がなく、ご自身の都合に合わせて好きな時に申請できるようになります。また申請の方式が統一されることで、事務センターの負荷が軽減し、ミスの削減にもつながると考えました」と語る。

kintoneをベースに構成された提案を評価し採用、アジャイル型で短期間の開発を実現

 三井不動産レジデンシャルサービスは、ベンダー2社に提案を依頼。検討を重ねた結果、サイボウズ社のkintoneをベースに構成されたSCSK Minoriソリューションズ(以下、SCSK Minori)の提案を採用した。その決め手は、同社が実現したいことと提案の内容が合致していたことだという。プロジェクトチームの一員として開発をリードした事務センター 事務サポート課 シニアスタッフの豊田貴和氏は次のように語る。

 「もう1社のベンダーはスクラッチでの提案だったのですが、kintoneを中心に据えたSCSK Minoriの提案の方が当社の要望にマッチしていました。また、kintoneは三井不動産グループのセキュリティーポリシーに準拠したサービスであり、グループ内で採用実績があるという点でも安心感がありました」

 開発プロジェクトは2020年9月よりスタート。要件確認、kintoneアプリ作成、フォーム設定、データ移行、テストなどを経て2021年1月にWeb申請サービスをリリースした。この際、kintoneの連携ツールとして、トヨクモ社のWebフォーム作成ツール「フォームブリッジ」と情報公開ツール「kViewer」を採用。さらに受付通知メールのためにM-SOLUTIONS社の「Smart at message for kintone」も導入している。

 なお今回の開発では、従来のようなウォーターフォール型ではなく、モックアップをもとに修正していくアジャイル型で進め、短期間での導入を実現した。

 「最初のうちは不安でしたが、実際にやってみると楽でしたね。ゴールを明確にしながら、定期的に意見交換を重ね都度修正を反映頂くことで、やりたいことが実現できるシステムにつながりました」(豊田氏)

三井不動産レジデンシャルサービス株式会社

リードタイムが1営業日近く短縮、マンション管理担当者や営業担当の工数も削減

 新システムでは、駐車場契約者自身がWeb画面から必要事項を入力し申請を行う。すると自動的に依頼書がkintoneに保存され、事務センターの担当者はkintone上で申請内容を確認する。不備がなければそのまま本人確認、PDF作成、保管場所使用承諾証明書への押印・承認を行う。最後に保管場所使用承諾証明書の原本を駐車場契約者に郵送して終了となる。

 契約者からの受付は24時間365日対応。事務センターの営業日(土日祝を除く)、営業開始時間(午前9時)までに申請した場合、入力内容に不備がなければ即日処理される。そのため、以前のように担当者などを通す必要がなくなり、発行までのリードタイムも1営業日近く短縮されることになる。

 「リリースから6ヶ月経った2021年8月時点で、申請の約8割が当社社員を介さずにご申請いただいています。オンラインショップで買い物をするような感覚で使えるので、操作方法に関する問い合わせが殆どなく、多くの方に満足してご利用いただいているようです。お客様の申請を受付完了時と、保管場所使用承諾証明書を発送した時点で、自動でその旨メールが送信するため、『証明書はいつ届きますか』といった問い合わせもなくなりました」(豊田氏)

 また、本人による申請に切り替えたことで、マンション管理人や営業担当者が申請の取り次ぎを行うこともなくなった。これにより、サービス開始から6ヶ月間で、マンション管理人で延べ1,231時間、営業支店担当者では延べ364時間の工数削減が実現した。「これまで取り次ぎに費やしていた時間を、巡回や清掃、お客様とのコミュニケーションといった、顧客サービスの向上に費やすことができるようになりました」(堀内氏)

 さらに事務センターでも、マンション管理担当者や営業担当者との間で発生していた確認や問い合わせへの対応が無くなったことで、処理時間の前倒しが実現。別の大型マンションの保管場所使用承諾証明書の発行業務も受け入れることが可能になった。「今回、SCSK Minoriと共に開発を進めたことで、これまでにない気付きを得ることができ、期待以上のシステムが構築できました。将来の追加開発についても、引き続きアドバイスを期待しています」(堀内氏)

三井不動産レジデンシャルサービス株式会社
導入企業プロフィール
会社名 三井不動産レジデンシャルサービス株式会社
本社所在地 〒135-0061
東京都江東区豊洲5-6-52 NBF豊洲キャナルフロント
事業概要 三井不動産レジデンシャルおよびその他デベロッパーが開発したマンションの管理を手がける。「プランニング」「マネジメント」「コンサルティング」の3つの中核事業を通じ、安全で快適な生活環境の確保とマンションの未来価値の創造をサポートする。
URL https://www.mitsui-kanri.co.jp/

※記載された内容は取材当時の情報です。※会社名および商品名は各社の商標または商標登録です。